施主様のこだわり

風薫る土間リビングで 山里の景に溶ける。

背後には山並み、道を挟んだ向こうには川のせせらぎと、田園の風景。お子さんとともにUターンした施主さまは、この豊かなロケーションに溶け込む、木を活かした平屋を求めた。また故郷の大切な土地を受け継ぐ者として、自然に還る素材で建てたいという想いもあったそう。そこで白石さんは、愛媛の木や土壁、漆喰、和紙などの自然素材で空間を構成。南西に広い土間リビングを設け、二面開口で山の緑と光、風を豊かに導くプランを提案した。格子の雨戸をすべて引き込めば、この開放感である。土間は玄関からリビングに沿って延び、さらにL字を描いてキッチンとその奥のパントリーまで続く。食卓、施主さまの作業場、お子さんや愛猫の遊び場、薪ストーブなどさまざまな用途を兼ねたこの土間が、暮らしの奥行きを生み、家族のコミュニケーションを育む。
寝室や和室、ファミリークローゼットなどのプライベート空間は東側にまとめ、家で仕事をする施主さまの書斎をLDKの隣に配置。デスクに座った目線には内窓を設け、さりげなくリビングの気配を感じ、家族の声や外の景色に癒される。のどかな山里に、焼杉の壁と格子戸のファサードがしっくりと馴染む。外も内も、自然の癒しに満ちたこの家で、家族は健やかな日々を重ねている。