上人坂COMPLEX - YAD 一級建築士事務所の施工実例
施主様のこだわり
「新たな旅の愉しみを」 志のプロジェクト。
道後温泉街の賑わいは限られたエリアに集中している。それをもっと広げて、メインの通りを外れた裏路地や坂道などに人を往還させたい。表と裏のエリアは、対照的でありながらも互いに共存する魅力的な側面を持っている。この二つの顔が織りなす道後の奥深さとコントラストを活かしたエリアの創出。人の流れが血流となり、温泉街の活性化につなげたい…。そんな志を持ったクライアントが、宝厳寺から続く上人坂を舞台にしたプロジェクト「上人坂COMPLEX」をスタート。
第1期の「上人坂ハナレ」「HAGIRE」。そして今回第2期の「うつわや砥々」「440雲と197音」。斜面を利用し点から面へと拡張した。かつて賑わっていた古い時代の歴史的な気配を残す上人坂。「そこに流通の基盤であり、見た目も軽いPOPなコンテナを置くことに面白さを感じた」と河野さん。加えてコンテナの異質感が、かえって人を惹き付けるのでは…と感じた。敷地の背後には小高い丘が控えており、各建物や小径を巡る小さな散策コースとしての可能性も秘めている。クライアントが望む新しい道後の景色が始まろうとしている。