施主様のこだわり

愛すべきもので溢れた、アトリエのように。

　趣にあふれたクラフトワークを愛する施主さま。着工までの準備期間に、各地の作家さんのもとに足を運び、ライトやステンドグラス、洗面ボウルなど愛すべき小物たちをオーダーした。そんなモノ探しの旅に智子さんも同行し、ワクワクする時間を共有。どこに配するか、どれと組み合わせるか。閃きときめきながら、コレクションたちの居場所を見つけることを楽しんだ。そして突き詰めた間取りのなかに展開したのは、ご夫妻が潜在的に望まれていた童話の世界を体現した空間。たとえば、和室の丸い壁は構造的に必要なものではないが、空間に奥行きを与え、和の趣をいっそう深める効果を生み出した。ガラス、セラミック、タイル。使うために生まれてきた芸術品たちが、与えられた場所で採光やゾーニングなどの役割を果たし、暮らしを彩る…。アトリエを思わせるこの家は、智子さんが目指す「用の美」そのものとなった。