施主様のこだわり

やわらかで豊かな、 ソフトミニマリズムな空間。

施主は住居であるマンションのワンフロアの全面
改修を依頼。奥野さんは「落ち着ける居場所」をつ
くることをめざしたという。そこは、帰り着くと、気
持ちのスイッチを自然にOFFできる、そんな住ま
いへと生まれ変わった。「光の抑揚と、各スペース
の空気量には特に注意を払いました。空気量とい
うのは私のイメージ。体感する空間の体積とでも
言ったらよいでしょうか」と奥野さん。たとえば窓
からの光が壁に描き出す明と暗のグラデーション。
天井高を変えることによる雰囲気の演出。存在を
主張する色や素材ではなく、心と身体に気持ちよ
く馴染むようなマットでやわらかな材料を使って
いるのも、落ち着きをつくるディティールの一つ。シ
ンプルだが味わい深い、すっきりしていながら豊
かな、ソフトミニマリズムな空間がデザインされて
いる。そこはおだやかな日常を感じさせる住まい。