施主様のこだわり

開放感を叶えつつ、プライバシーを包み込む。

瀬戸内海に浮かぶ風光明媚な島、計画地はそのビーチサイドにあった。西には陽光がきらめく海、東には春に桜花で彩られるなだらかな稜線が一望できる。「オーシャンビューを邸内に取り込みたい」というクライアントの願いを最優先に、辻田さんは開放感と同時にプライバシーを守ることも叶えた。外周は外からの視線を遮るべく高い塀で囲み、盛り土により建物の高さを上げることにより、邸内からの視線は真っ直ぐに海景色へと注がれる。また海側の西面には建物に沿うように長いテラスを設けており、リビングの延長として多様な過ごし方が可能。
テラスは深く出した軒で覆われており、夏の直射日光が邸内に入り込むのを防ぐ役割も。バスルーム以外の居室は床をタイル貼りにし、床暖房を敷設することで大空間の寒さ対策も万全に施された。
建物外観は周囲の自然に干渉しないシンプルなデザインを心がけており、素材や色使いも環境との共生を意識しながらセレクト。玄関ホールに大胆に使用した大島石や塗り壁と相性のいいレッドシダーの軒天がアクセントとしての役割を果たしている。ゆったりとしたLDKはもちろん、バスルームや洗面室などすべての居室が海景色に向かい合うようにレイアウトされており、設けた高窓からは、春の桜や夏の新緑も楽しむことができる。